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介護について

 私的、公的を問わず、「介護」に携わっている方は益々増えていると思います。現状では人手不足であるとも言われていますが、これからもそのニーズはさらに高まってくると思われます。

 さて、その「介護」という言葉について調べてみましたところ、少なくとも昭和58年時点での国語辞典には「介護」という言葉の意味は載っていなかったそうです。そもそも「介護」という単語が法令上で最初に確認されるのは、1892年の陸軍

軍人向けの、恩給の給付基準としての概念のみであったようです。

 しかしその後、一般的な言葉として使われることはなかったところに、介護用品メーカーであるフットマーク株式会社により、「世話をする側とされる側のお互いの気持ちの交流を考えて『介助』と『看護』を組み合わせて作った造語」として昭和59年に商標登録され、一気に広まることになったと言われています。つまり昭和58年には介護という概念がなかったということです。

 

 その後、高齢化が進み介護の急速な需要の高まりによって、介護の状況を少しでも良くするために、2000年4月から「介護保険法」が始まりました。介護保険法というのは、高齢者の介護を社会全体で支えていくものです。

 介護を必要とする高齢者や家族に対して、介護をサポートするサービスを受けられるという、とても理想的で躍進的な制度であります。すでに高齢社会を迎えた日本ですから、今後は介護の必要性は確実に増えていくでしょうし、介護の歴史はこれからも続いていきます。

 より良いものにするのか、悪いものにするのかは、介護に携わる人だけの問題ではありません。

これから先、自分たちの子どもや孫の世代が介護と向き合うとき、よりよい制度・仕組みとなっているよう、全ての人が自分の事として介護を見つめ、努力していくことが必要不可欠ではないでしょうか。