日本人は自然現象に名前を付ける名人です。とりわけこの時期は台風シーズンと呼ばれてますので、本日は「風」について述べてみたいと思います。
風には「疾風(はやて)」「つむじ風」など、漁師や農家の人がつけた名が2,000以上もあります。四季折々に吹く風の名前ばかりでなく、吹き方によってその名前もさまざま。
皆さんは、風の名前をいくつご存知ですか?ここでよく呼ばれる名前を挙げてみます。
【春の風】
・春一番 ・・・ 春の初め、その年に初めて吹く強い南風
【夏の風】
・青田風(あおたかぜ) ・・・ 青々とした水田の上を吹きわたる風。
・六甲おろし ・・・ 阪神地方、特に甲子園球場によく吹いてます。
【秋の風】
・野分(のわき) ・・・ 野の草を分けて吹きすさぶ強風。台風を含む。
【冬の風】
・木枯らし ・・・ 初冬に吹く冷たい北風。木の葉を吹き落してしまうことに由来。
・空風(からっかぜ) ・・・ 冬山を超えて吹きつける下降気流で、冷たく乾いた風。関東・東
海地方の冬の季節風
(季節に関係なく)
・すきま風 ・・・ 夫婦関係が冷え切って来たときに吹く風。
■ハリケーン、サイクロン、台風、何が違う?
・台風は東経180度より西の北西太平洋および南シナ海で日本の分類です。
・ハリケーンは北大西洋、カリブ海、メキシコ湾および西経180度より東の北太平洋東部、
・タイフーンは北太平洋西部、サイクロンはベンガル湾、北インド洋に存在する熱帯低気圧を指します。
・荒れ狂う怒りの主
「嵐」「暴風」は、まさに怒りの主。荒れ狂う風を「狂風」「烈風」などといい、突然に吹く「天狗風(てんぐかぜ)」や烈しい「疾風(はやて)」は、「悪風(あくふう)」となって災害をもたらすこともあります。
タイフーンに漢字を当てはめた「台風」は、その痛々しい爪跡を想像させますが、昔ながらの「野分」には、自然と共存するかのような印象があります。
・優しく爽やかな表情
荒々しさが消え和やかに吹くと「和風(わふう)」になり、そよそよと吹く「微風(そよかぜ)」や清らかな「清風(せいふう)」は風が微笑んでいるようです。さっとひと吹きする「一陣の風」や、強くても気持ちのいい「雄風(ゆうふう)」には凛とした姿が見えるでしょう。
・進むべき道に吹く風
船の進むべき方向に吹く「順風」「追い風」「時津風(ときつかぜ)」、その反対は「逆風」「向い
風」「仇の風(あだのかぜ)」。
風は人生にも吹いているようです。