「見ざる、聞かざる、言わざる」ということわざは、皆さんご存じかと思います。日光東照宮の新厩舎(しんきゅうしゃ)に彫られている三猿で有名です。3匹の猿が並んでいて、見猿は目を隠し、聞か猿は耳を隠し、言わ猿は口を隠しています。
このことわざは、自分に都合の悪いことや、人の欠点や過ちなどは見ない、聞かない、言わない方がよいという意味です。
(子供のころは、悪いことを見たり聞いたり話したりしないで、素直にまっすぐ成長しなさい、という意味もあるようです。)
自分に都合の悪いことは知らないふりをするのがいい・・・本当にこのことわざは正しいのでしょうか?埼玉県秩父市にある秩父神社には、「お元気三猿」という「よく見て・よく聞いて・よく話す」という日光とはまったく逆さまの、とてもユニークな猿の彫り物を見ることが出来ます。3匹の猿がよく見て・よく聞き・よく話そうとしている彫り物です。仕事をする中で、この「見よう・聞こう・言おう」という姿勢はとても大切だと感じます。
1.今自分にできることは何か、相手が本当に考えていることは何か。周りを見たり、目には見えない相手の気持ちも見
ようとする姿勢。
2.相手の話をしっかり聴き受け止める、聞こうとする姿勢。
3.自分の考えていることを伝える。今自分がしている案件や抱えている問題について共有する、話そうとする姿勢。
以上この3つは働く上で、誰もが大切にしていくべき事ではないでしょうか。職場だけではなく、家の中や公共の場でも共通して大切にできたらいいと感じます。
「見ざる・聞かざる・言わざる」のほうが有名ですが、ロータリアンである自分としては、自分は「見よう・聞こう・言おう」を大切にしていきたいものです。
ちなみに、この秩父神社の今の社殿は日光東照宮に祀られている徳川家康が建てたという事実、つまり、日光の「三猿」より以前にこの「お元気三猿」が彫られたということになります。また日光は家康の孫にあたる家光が造営したもの。
となると、日光の「三猿」には家光の思想が、秩父神社の「お元気三猿」には家康の思想が反映されている、ということになりますね。