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野生生物の第六感が訴えるもの

 

 平成28年4月14日午後9時26分の前震と16日午前1時25分の本震が震度7を記録し、多くの被災者を出した熊本大震災から丸3年が経ちました。

 道路や線路・水道・河川等の復旧も概ね完了し、平成30年度末には公共住宅や土砂災害工事、護岸工事も着々と完成しておりますが、未だ仮設住宅にお住まいの方や営農の復興を待つ方も多くいらっしゃいます。1日も早く、全ての方々の精神と生活環境が安定するよう祈念しております。昔から地震・雷・火事・オヤジと言われますが、オヤジ以外は全てを失うことがあります。特に地震はいつどこで起こるか全く予測が出来ない災害で、いくら学者や専門家が研究しても、国費を投入しても現段階では具体的な予測は不可能とされています。しかし阪神淡路大震災や東日本大震災・熊本地震において動物の奇妙な動きが報告されたのはご存知でしょうか?

 私が実際に見たわけではありませんので、もしかしたらフェイクニュースかもしれませんが、どの震災をみても地震前に鯨が打ち上げられた事がニュースになったり、犬や猫が集団で吠えたりネズミやモグラが地上に出てきたりと生物の異常現象も報告されています。その他湧水が濁ったり水量が減ったり、変な雲が観測されたりと何らかの異変から、もしかしたら具体的にとは言えませんが予知できるのかもしれません。

 

 私も現場に出る時には朝焼けだったら雨。夕焼けが見れたら翌日は晴れ。だとか、燕が低く飛んだら雨前とか、蜂の巣が木の上にあったら今年は台風や豪雨の影響が少ない。と判断しております。実際にここ数年は蜂の巣は倒木や木の根にしか見れなかったのは事実ですし、台風被害や豪雨災害が多かったのは言うまでもありません。

 ここで注目したいのはモグラです。実際にモグラを見たことがある若い方は少ないと思います。私も小学校低学年の時に父の実家へ稲刈りの手伝いに行った時に死んでいるのを見たぐらいです。正直可愛いと思ったのを覚えておりますが、農家にとては害とされています。

 モグラは日本に5種類程が生息し、日本列島本土には大きく分けると2種類がおり、東日本しか生息しないアズマモグラと西日本しか生息しない神戸モグラが生息し、その境は明確に分けられ、領土や縄張りがハッキリとしています。ご存知のとおりモグラは目は退化しほとんど見えませんし、基本的に地上に出ることがなく、土の中を巣にしていますが、実は穴掘りは得意ではありません。姿は鼻と手足の先以外は毛で覆われ、穴の中で自由に動けるよう体から垂直に生えています。1日の内、寝ている以外はほとんど餌を食べていないと餓死してしまう変な生物なのです。

 しかし、アイマー器官という特殊機能を持つ鼻で微震動を感じ、餌を立体的に捉える事ができます。まるで耳と目の役割を鼻が担い、その鼻センサーで天敵なのか、餌となるミミズか昆虫かを瞬時に判別できるわけです。もしかしたら地震が起こる前の微妙な振動を、数時間前かあるいは数日前にその鼻のセンサーで危険を察知しているのかもしれません。

 

 これからAI技術やデータ分析による予測は、必ず人類の役に立つことは間違いありません。ただ先人たちから伝えられてきた、言い伝えや空の変化と同様に、科学では証明されていない「生物が持つ第六感」が地球上に多大な影響をもたらすような変化を知らせてくれているのかもしれません。「喉元過ぎれば」ではなく、常に万が一に備える事が、地域のリーダーとして大切なことをご理解ください。

 

 最後になりますが、私の父は地震の次に怖かったような記憶があります。しかし他人にも家族にも迷惑をかけずに過ごした生き様は、本当に見事で心から尊敬に値します。未熟な私も息子から尊敬されるよう身を引き締め、「一日5分ロータリー」を実践していきます。